名古屋市中村区は、市内でも西側に位置し、名古屋駅を中心とした商業地域と閑静な住宅街が共存するエリアです。交通の利便性が高く、ショッピング施設や娯楽施設も充実していることから、生活に不便を感じることがなく過ごせます。
ただし、同じ中村区内でも場所によって住環境は異なるため、引っ越しを考える際には、地域の治安や特性を事前にリサーチしておきましょう。
本記事では、名古屋市中村区の治安情報とともに、住むのに向いている人の特徴やおすすめエリアを解説します。
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名古屋市中村区の治安について
地域の刑法犯認知件数や犯罪発生率、自治体による安全対策といった治安に関する情報は、住みやすさを判断する重要な検討材料です。まずは、名古屋市中村区の治安をデータから確認してみましょう。
刑法犯認知件数は名古屋市内で2番目に多い
警察が事件を認知した数を示す刑法犯認知件数から、その地域の治安状況を推察できます。
愛知県警が公表した「令和5年中の犯罪の概況」によると、中村区における2021~2022年の刑法犯認知件数は次のとおりです。
- 2021年(令和3年):1,755件
- 2022年(令和4年):1,831件
2022年の件数は愛知県全体の4.4%にあたり、名古屋市内の全16区のなかでは中区に次いで2番目に多い数値でした。このことから、中村区の事件数は、名古屋市内で見ると比較的高い水準だといえるでしょう。
犯罪発生率は1.30%
2022年の名古屋市中村区の犯罪発生率は、市内の全16区で2番目に多い結果となりました。
犯罪発生率は、人口総数に対する犯罪の発生割合を示す数値であり、以下の式で算出できます。
犯罪発生率(%)=刑法犯認知件数÷人口総数×100 |
愛知県県民文化局が公表している「あいちの人口[年報]」によると、2023年10月時点の中村区の人口は140,093人でした。
したがって、中村区の犯罪発生率は次のように計算が可能です。
犯罪発生率(%)=1,831件÷140,093人×100=1.30%(※小数点第二位を四捨五入) |
名古屋市内の全区の犯罪発生率をランキングにすると、中村区の1.30%は、中区の2.85%に次いで2番目に高いことがわかりました。
ただし、中村区の犯罪発生率が高い傾向にあるのは、繁華街周辺など治安の良くない一部エリアが主に関係しています。夜間に一人で歩くのを避ける、繁華街周辺から離れたところに住むなどの対策を講じることで、区内でも比較的安全に過ごせるでしょう。
自治体による安全対策
名古屋市中村区には、区民や公共団体、警察および関連機関などが協働し、安全に暮らせる地域社会をめざす「安心・安全で快適なまちづくり推進協議会」が設置されています。
また、すべての区民にとって暮らしやすい環境を整えるため、区役所も「区政運営方針」に基づいた独自の取り組みを行っているのが特徴です。2024年度の区政運営方針では、安心・安全対策を図るべく次のような施策の実施が掲げられています。
- 交通安全教室の開催
- 交通安全マスコットキャラクター「とみまつ」の啓発グッズ配布
- 特殊詐欺被害・子どもの犯罪被害防止に関する啓発活動
- パトロールの実施 など
ほかにも、インターネットを通じた子育て支援情報の発信、親子で参加できるワークショップの開催など、子育て世帯に寄り添った街づくりを行政が推進しています。
名古屋市においても、地域のパトロールなどを行っている団体を対象に防犯カメラの設置・取替工事の補助金を支給しており、防犯対策には積極的なエリアです。
名古屋市中村区に住むのに向いている人の特徴
名古屋市中村区は、中部地方のなかでも商業・ビジネスの要所であり、名古屋駅を中心に大きく発展しています。このため、住環境に利便性を求める人は、中村区での暮らしが向いているといえるでしょう。
ショッピングや娯楽を満喫したい人
中村区の東側には、ターミナル駅として都市機能が集中する名古屋駅があります。
駅周辺は高島屋やビックカメラなどの大型商業施設をはじめ、さまざまなテナントが入った複合施設も多く存在し、買い物・飲食店選びに困ることはないでしょう。休日にショッピングを満喫したり、仕事帰りに喫茶店でゆっくりしたりと、あらゆるニーズを満たせます。
また、名古屋市営地下鉄東山線を利用すれば、名古屋駅から5分程度で繁華街のある栄にもアクセスできるため、ショッピングや娯楽を満喫したい方が住むには適したエリアです。
中区のオフィス街や商業施設へ通勤する人
名古屋市中村区は、オフィス街がある丸の内や商業施設の多い栄から近いため、中区に勤め先がある人は通勤が便利でしょう。
中区は不動産価格が高めで、繁華街が近いこともあり基本的には賑やかなエリアです。落ち着いた住環境を求める場合には、中区はおすすめできません。
これに対し、中村区の北西側に位置する中村公園近くなどは閑静な住宅地が広がり、下町らしい情緒も感じられるのが特徴です。
交通アクセスの利便性と落ち着いた暮らしを両立させたい人は、中村区に住むのが向いているといえます。
子どもが通学しやすいエリアを探している人
名古屋市中村区は、育児支援が充実しているだけでなく、通学にも便利という点で、子育て世帯にとって暮らしやすいエリアです。
区内には、保育施設や学校などの教育機関が点在しています。区の中央を名古屋市営地下鉄東山線が縦断しており、各駅周辺に教育機関があることから、自宅から距離のある学校でも比較的通いやすいでしょう。
名古屋市営地下鉄東山線は電車の本数が多く、移動がスムーズなのもポイントです。
中村区は、名古屋市内でも経済的な中心地であり、とくに名古屋駅周辺は家賃も高い傾向にあります。しかし、駅から少し離れると、比較的リーズナブルな価格で物件を見つけられる可能性もあります。
名古屋市中村区に住む際のおすすめエリア
交通アクセスの利便性に優れ、買い物施設も充実している名古屋市中村区ですが、エリアによって住環境は異なります。ライフスタイルや家族構成に合わせて、住みやすいエリアを探しましょう。
中村区のなかでも、おすすめの居住エリアは「ささしまライブ駅周辺」「中村公園駅周辺」です。
ささしまライブ駅周辺
ささしまライブ駅は、名古屋駅の南側にある名古屋臨海高速鉄道あおなみ線の駅です。再開発によって、複合商業施設「マーケットスクエアささしま」や愛知大学のキャンパス、歩行者デッキなどの設備が整えられました。
マーケットスクエアささしま内にはさまざまなテナントが集まっており、ショッピングや娯楽、食事などを満喫できます。より大きな商業施設へ足を運びたい場合にも、名古屋駅までは名古屋臨海高速鉄道あおなみ線なら2分程度でアクセス可能です。
ささしまライブ駅周辺は、都市機能が適度に発展していると同時に、名古屋駅周辺に比べると落ち着きがあります。このため、都会の喧騒から少し離れて暮らしたい人にもおすすめのエリアです。
中村公園駅周辺
名古屋市営地下鉄東山線の中村公園駅は、中村区のちょうど中央あたりに位置する、下町風情あふれたエリアです。
駅周辺は閑静な住宅地ながらも、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、ファストフード店などがあり、生活しやすい環境が整っています。また、中村公園駅から名古屋市内の主要な駅へ、地下鉄1本でアクセスできる点もメリットです。
駅から徒歩約10分のところにある中村公園は、戦国武将の豊臣秀吉や加藤清正に関連した史跡を有し、自然散策のほか、子どもの遊び場としても利用できます。
まとめ:中村区の治安や特徴を参考に暮らしやすいエリアを探そう
本記事では、名古屋市中村区の治安情報や住むのに向いている人の特徴、おすすめの居住エリアについて解説しました。
名古屋駅周辺は繁華街であるため、他の地域と比較すると犯罪発生率はやや高めです。一方、名古屋駅から離れた住宅街は、比較的治安が良く、安心して暮らせるでしょう。
中村区は交通の便が良く、名古屋駅周辺を中心に大きく発展していますが、都心部から少し離れたところは閑静な住宅地が広がり、落ち着いた雰囲気です。
エリアごとの特性や周辺環境をリサーチしたうえで、自身のライフスタイルに合う理想の物件を見つけてみてください。
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