マイホームを購入すると、地方税の一つである固定資産税を毎年支払うことになります。従来は現金納付や口座振替での納付が一般的でしたが、最近ではキャッシュレス決済を用いて固定資産税を納められる自治体も増えてきました。
そして2023年春から、楽天ペイでも地方税の支払いに対応したサービスが開始されています。
この記事では、楽天ペイで固定資産税を支払う場合のメリットや注意点、支払いのやり方を詳しくまとめました。楽天ペイを普段から利用している方や楽天カードをお持ちの方は、よりお得に固定資産税を支払える可能性があるため、参考にしてみてください。
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固定資産税の納付は楽天ペイでできる?
2023年4月17日から、一部自治体で楽天ペイでの固定資産税の納付ができるようになりました。
楽天ペイをはじめとしたスマホ決済で固定資産税を納付ができる自治体の場合、請求書に地方税統一QRコード(eL-QR)が印刷されています。このQRコードがあれば、楽天ペイアプリからコードを読み取るだけで決済ができます。
地方税統一QRコード(eL-QR)とは、2023年4月から運用が開始されたQRコードの一種で、収納業務の効率化などを狙いとして誕生しました。全国で統一された規格のため、これまで現金納付のみに限っていた自治体でもキャッシュレス決済を導入しやすくなるなど、利便性の向上が期待されています。
2023年12月時点ではまだすべての自治体でeL-QRを用いた楽天ペイでの決済ができるわけではありませんが、対応している自治体は順次拡大中です。楽天ペイ公式サイトの「利用可能なお支払い先」から確認できるため、チェックしてみましょう。
固定資産税を楽天ペイで支払うメリット
固定資産税を楽天ペイで支払うことには、以下のようなメリットがあります。
- 手続き方法によっては0.5%のポイントが受け取れる
- 保有中の楽天ポイントを利用できる可能性がある
- 場所や時間を問わずに固定資産税を支払える
- 手数料が発生しないため、クレジットカードよりも決済コストを抑えられる
普段から楽天ペイでポイントを溜めている方や、支払い時のコストをできるだけ抑えたい方はぜひ有効活用してみましょう。
手続き方法によっては0.5%のポイントが受け取れる
楽天ペイと楽天カードを組み合わせて固定資産税を支払うと、2023年12月時点では決済額の0.5%のポイントを受け取ることができます。
固定資産税を支払うには、楽天ペイの「請求書払い」というサービスを利用しますが、通常であれば請求書払いにポイントは付与されません。
しかし、楽天カードから楽天キャッシュ(楽天ペイの残高)にチャージしてから請求書払いをすると、楽天カード側で0.5%のポイントが還元されるようになります。チャージや支払いには手数料がかからないため、楽天カードを持っていれば無償でポイントを受け取る機会を増やすことが可能です。
固定資産税の納付に対応しているQRコード決済サービスは、楽天ペイのほかにPayPayなどがありますが、こちらのチャージではポイントがつきません。チャージによってポイントが貯められるのは、楽天ペイ独自のメリットといえるでしょう。
固定資産税はPayPayで支払える?メリットやデメリット、納付方法を解説
保有中の楽天ポイントを利用できる可能性がある
楽天ペイは、保有中の楽天ポイントを使って固定資産税の納付ができます。
貯まったポイントを支払いに利用できるため、期限が迫っているポイントや使い道に迷っているポイントがあれば、便利に活用できます。ポイントを税金の支払いに利用できるサービスは現状それほど多くないため、楽天のサービスをよく使う方であればなおさらメリットが大きいといえるでしょう。
ただし、楽天ペイの公式サイトには、一部の請求書では楽天ポイントが利用できない場合があるとの旨が記載されています。固定資産税の支払いでも必ずポイントが使えるわけではないことを念頭に置きつつ、利用できる場合は積極的に活用してみましょう。
場所や時間を問わずに固定資産税を支払える
楽天ペイを活用することで、場所や時間を問わず好きなタイミングで固定資産税の支払いを済ませられます。
QRコード決済を使えば、金融機関の窓口やコンビニなどに出向く必要がないうえに、いつでも利用できるため窓口の営業時間などを気にする必要もありません。
また、QRコードを読み取るだけで瞬時に決済が完了するため、手間もかからないのが特徴です。忙しい方でも、隙間時間などを利用して手軽に納付できます。
手数料が発生しないため、クレジットカードよりも決済コストを抑えられる
楽天ペイのようなQRコード決済サービスでは、請求書払いの際に手数料が発生しません。
固定資産税はクレジットカードでも納付ができますが、その場合は自治体ごとに定められている決済手数料がかかります。
たとえば、東京都で固定資産税をクレジットカード決済すると「地方税お支払いサイト」のシステム手数料で、1万円までは37円(税抜)、以降1万円ごとに75円(税抜)の手数料が加算されます。クレジットカードで納付すればカードのポイントが付与されますが、手数料の金額によってはポイントが相殺される、またはポイント以上に負担が増えてしまうかもしれません。お住まいの自治体サイトで、クレジットカード払いの対応状況や各手数料をご確認ください。
※参照:都税クレジットカード納付 | 都税Q&A | 東京都主税局
一方、楽天ペイで支払った場合は決済手数料が発生せず、固定資産税を納付する際のコストを抑えることができます。さらに、上述した楽天カードによるチャージを活用すれば、0.5%分のポイントをそのまま受け取れるためさらにお得です。
固定資産税を楽天ペイで納付する際の注意点
楽天ペイを使った固定資産税の支払いには、いくつかの注意点もあります。
- 一度に30万円を超える納付ができない
- 決済のキャンセルや返金に対応していない
- 納税証明書の発行に時間がかかる
有効活用するつもりが、かえって手間や時間をとられてしまう事態にならないよう、これらのポイントを心に留めておきましょう。
一度に30万円を超える納付ができない
楽天ペイの請求書払いで決済できるのは、一度につき30万円までと決められています。通常のQRコード決済とは上限額が異なるため、注意が必要です。
1年分の固定資産税をまとめて支払う一括納付を選択すると、納付金額が大きくなり、楽天ペイでは支払いできない可能性があります。合計することで30万円を超えてしまう場合は、年4回に分けて支払う分割納付を選択しましょう。
なお、楽天キャッシュや楽天ポイントには、1ヶ月最大50万円までという利用上限額が設定されており、これには楽天ペイの請求書払いの金額も含まれます。
たとえば楽天キャッシュ(楽天ペイの残高)で10万円の固定資産税を納付すると、その月の利用上限額は残り40万円です。以降のショッピングに使える枠を圧迫してしまう可能性もあるため、出費の予定に注意しながら計画的に利用しましょう。
※参照:楽天ペイアプリの利用上限金額について – 楽天ペイアプリ: よくあるご質問
決済のキャンセルや返金に対応していない
楽天ペイの請求書支払いを利用した際、請求書の金額が間違っていたり身に覚えのない請求書を支払ったりした場合でも、楽天ペイ側で決済キャンセルや返金には対応していません。基本的には請求書の発行元による対応となり、固定資産税の場合は自治体が該当します。
特に注意したいのは、二重払いです。
楽天ペイで支払いをすると、請求書は利用可能なまま手元に残ることになります。そのままコンビニなどで使えてしまうため、すでに楽天ペイで払っていることを忘れて固定資産税の請求書をコンビニに持って行き、二重払いをしてしまうミスが発生しかねません。
間違って支払った税金については後日、自治体から返金の連絡が届きますが、基本的にはその場ですぐ返金されるわけではありません。還付口座振込依頼書を記入して送付し、振り込まれるのを待つという流れになるため、時間も手間もかかります。
面倒な手続きを避けるためにも、支払いの実行前には内容を十分確かめるようにしてください。支払ったかどうか忘れてしまった場合は、楽天ペイのアプリから支払履歴を確認してみましょう。
納税証明書の発行に時間がかかる
楽天ペイに限った話ではありませんが、QRコード決済サービスを利用して固定資産税を支払う場合は、基本的に領収書が発行されません。
領収書が手元にあれば、納税証明書がほしいときに自治体窓口で即座に発行してもらえますが、領収書がない場合は発行までに数週間程度の時間が必要になります。そのため、急ぎで納税証明書が必要になる方のQRコード決済サービスの利用は不向きといえるでしょう。
領収書が必要なときは、QRコード決済サービスではなく金融機関の窓口やコンビニでの納付がおすすめです。
楽天ペイによる固定資産税の支払方法
ここからは、楽天ペイで固定資産税を支払うときの手順をわかりやすく解説します。楽天カードから楽天キャッシュにチャージするとポイントがもらえるため、そちらの方法も合わせてチェックしてみましょう。
楽天カードから楽天キャッシュにチャージする方法
①保有している楽天カードを楽天ペイに登録
- ホーム画面の「お支払い元」をタップ
- 「新しいカードを登録」をタップ
- 楽天会員ログインの画面に遷移するので、ログインして楽天カードを登録する
②登録した楽天カードからチャージをする
- ホーム画面右上の「楽天キャッシュ」欄の「+」をタップ
- チャージしたい金額を入力する
- 「チャージ方法」をタップして楽天カードを選択する
- 「チャージする」をタップ
楽天キャッシュ利用開始後すぐは、不正利用防止の目的で高額なチャージに制限がかかり、固定資産税分の金額をチャージできない場合があります。この場合、チャージ金額を減らしたうえで再度挑戦してみましょう。
楽天キャッシュで固定資産税を納付する方法
- ホーム画面の「請求書払い」をタップ
- 「請求書のコードを読み取る」をタップしてから、固定資産税納付書に印刷されているQRコードを読み取る
- 支払い先と金額が表示されるので間違いがないか確認し、支払い元が楽天キャッシュになっていることを確認する
- 楽天ポイントで支払う場合は、利用したいポイント額を設定する
- 「確認画面へ進む」をタップし、間違いがないか確認して支払いを実行する
手順に従って操作したにも関わらず固定資産税が払えないという場合、楽天ペイの定期メンテナンスの日時に該当している可能性があります。タイミングを改めて手続きを行うか、急ぎであればコンビニなどでの納付も検討しましょう。
なお、固定資産税の請求書がQRコードに対応していない自治体の場合、楽天ペイの請求書払いは使えない点にも注意してください。
まとめ:固定資産税は楽天ペイで支払える?
楽天ペイを使った固定資産税の支払い方や、利用のメリットについてご紹介しました。
キャッシュレス決済の普及により、楽天ペイで固定資産税を支払える自治体は徐々に増えつつあります。また、楽天カードと組み合わせて使うとポイントが付与されることから、楽天カードを持っている方であればよりメリットが大きく感じられるでしょう。
マイホームの購入後、固定資産税の納付は毎年必要になります。少しでもお得に支払いをするためにも、楽天ペイのQRコード決済を賢く活用してみてください。