注文住宅を建てるうえで、外観をおしゃれにする方法について悩んでいませんか?外観のデザインは家を見る人の印象を大きく左右するため、世界観を統一することが大切です。
この記事では、家づくりで外観をおしゃれにするための参考として、7種類の外観スタイルと設計のポイントを解説します。デザインの画像も一例として掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
おしゃれな家の外観の種類
家の外観をおしゃれにするには、最初に外観スタイルを決めることが大切です。
ここでは、おしゃれな外観スタイルを7つ紹介します。デザインの参考になる画像も一例としてそれぞれ掲載しています。
1. シンプルモダン
「シンプルモダン」は過度な装飾がない人気のデザインです。凹凸がない直線的なシルエットが基本で、白・黒・グレーなどのモノトーンカラーが多く使われる傾向があります。
オーソドックスで、誰からも好まれやすいシンプルモダンは、見る人にスッキリとした印象をあたえます。スタイリッシュな窓や、部分的に壁を曲線にするなどのアクセントを加えれば、個性的なデザインに仕上げることも可能です。
2. 和モダン
「和モダン」は、黒やブラウンなど和を感じる色合いと、現代の新しい建築を融合したデザインです。和を基調とするデザインは日本人になじみやすく、幅広い年齢層に好まれるでしょう。
落ち着いたデザインに仕上がるため、二世帯住宅の外観としても人気があります。玄関や外壁の一部に木の質感を取り入れると良いアクセントになるでしょう。
3. ナチュラル
「ナチュラル」は、色合いがはっきりとしたモダン系とは異なり、白やベージュなどの淡色を基本とした、シンプルでやわらかな雰囲気が特徴のデザインです。
コンクリートや金属など無機質なものはあまり使わずに、木材やタイル、しっくいなどの自然素材を使って家を建てたい人におすすめです。植物との相性も良いため、庭の花や緑などにも調和するでしょう。
4. エレガント
「エレガント」は高級感があり、装飾なども見栄えする高いデザイン性があります。明るめの色をベースに使うことが多く、タイルやレンガなどをアクセントにすれば、洗練された高級ホテルのような仕上がりにすることも可能です。
上品さを感じさせる外観は特に女性から人気があり、デザインや装飾などを細部までこだわりたい人に向いています。
外観のイメージと合わせて、内装をシャンデリアやアーチ型の階段にすれば、統一感が増して、さらにおしゃれになるでしょう。
5. リゾート
「リゾート」は、海辺近くにある別荘をイメージさせるさわやかなデザインです。
白やグレーなどの明るい色をベースに使うことが多く、自然素材にも調和するため、木やタイルなどをアクセントとして取り入れても効果的です。ウッドデッキや芝生などもデザインになじむでしょう。
窓を大きくすれば、日当たりも良く開放感がさらに高まります。ベースはなるべくシンプルにすることで、流行に左右されにくく、飽きないデザインに仕上がります。
家に帰るたびに、リゾート気分を味わえる、遊び心あふれるデザインが「リゾート」の特徴です。
6. 北欧
「北欧」は、フィンランド・デンマーク・スウェーデンなど北欧の住宅をイメージしたデザインです。
白や淡いブルー、グリーンなど明るい色を組み合わせたデザインは、見る人にスタイリッシュな印象をあたえます。凹凸がないシンプルな形状になることが多く、メンテナンスがしやすいのも特徴です。
日本では目にすることが少ないデザインのため、他の住宅との差別化になりやすく、かっこいい外観に仕上がるでしょう。
アクセントとして、外壁を2色に張り分けるのもおしゃれです。
7. アメリカン(カントリー)
「アメリカン(カントリー)」は、コテージやログハウスのような見た目で、素朴なデザインが特徴です。
アメリカの住宅では、今でも代表的なデザインのひとつになっています。おしゃれで品がありつつも、見る人に開放的な印象をあたえます。
アメリカンは板張り風の外壁が主流で、木材との相性も良く、シンプルで主張しすぎない外観に仕上がります。さわやかで個性的な外観にしたい人におすすめです。
家の外観をおしゃれにするためのポイント
ここでは、家をおしゃれな外観にするうえで重要な、設計のポイントを解説します。どのポイントが欠けても外観を損なう原因となるので、ひとつずつ確認しましょう。
外観全体の統一感を意識する
家の外観をおしゃれにするには、最初に外観全体の方向性を決めることが重要です。前述した「シンプルモダン」や「エレガント」など、外観の種類を参考にして選ぶと良いでしょう。
外観の種類を決めたうえで外壁や屋根などを選び、全体の統一感を意識することで、自然とおしゃれな雰囲気になります。
色合いを考える際は、使用する色を3色程度に抑えると良いでしょう。多くの色を使いすぎると、派手で統一感のないデザインになってしまいます。
また、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの比率は「7:2.5:0.5」や、「6:3:1」の黄金比率を意識して配色を決めると、まとまりとメリハリのあるデザインになるのでおすすめです。
家のスタイルに合わせて屋根の形状を選ぶ
屋根の形状には、さまざまな種類があり、どの形状にするかによって家の外観は大きく変わります。代表的な屋根の種類と特徴を表にまとめました。
屋根の種類 | 特徴 |
切妻屋根(きりづまやね) | 屋根が二面で山のような形状 |
寄棟屋根(よせむねやね) | 屋根が四面ある形状 |
方形屋根(ほうぎょうやね) | 四角錐のような形状 |
入母屋屋根(いりおもややね) | 寄棟屋根の上に切妻屋根がのせられたような形状 |
片流れ屋根 | 屋根が一方向に傾いている形状 |
招き屋根 | 屋根が2段で切妻屋根を上下に分けたような形状 |
陸屋根 | 勾配がなく平らな形状 |
切妻屋根や寄棟屋根は、古くからある最も主流な屋根の種類で、どのような家のスタイルにも調和します。方形屋根もバランスの良い形状をしているので、デザインを選びません。
入母屋屋根は和風建築によく見られる形状で、「和モダン」に合うでしょう。片流れ屋根や招き屋根、陸屋根などは個性的なデザインなので、「シンプルモダン」などと合わせることでアクセントになり、おしゃれな雰囲気を演出できます。
屋根の形状で見る人の印象が大きく左右されるため、家のスタイルと調和する屋根のデザインを選ぶのがポイントです。
外壁の種類にこだわる
外装の大部分を占める住宅の外壁は、外観を印象づける重要な要素です。屋根のデザインを選ぶのと同様に、外壁の種類も家のスタイルに合わせて選びましょう。
代表的な外壁の種類と特徴を表にまとめました。
外壁の種類 | 特徴 |
サイディング | セラミックや金属などを使用した外壁材 |
タイル | 石や粘土を焼き固めた板状の外壁材 |
塗り壁 | 土やセメントなどを手作業で塗り上げていく工法 |
サイディングは最も主流な外壁材で、デザインの種類も多く、どのような家のスタイルにも合います。
タイルは、重厚感や高級感があるため、「ナチュラル」や「エレガント」などのスタイルと相性が良いでしょう。
塗り壁は職人が手作業で仕上げるため、サイディングやタイルにはない味わいを楽しめます。「和モダン」や「ナチュラル」などのスタイルと合わせるのがおすすめです。
外壁を選ぶときは、耐久性や汚れの目立ちにくさなどの機能性に着目することも重要です。
たとえば、汚れを浮かせて雨で洗い流す「セルフクリーニング機能」があるサイディングを選べば、汚れは目立ちにくくなります。タイルは耐久性に優れており、塗り壁は高い防火性が特徴です。
窓の種類や形、大きさを揃える
窓は、家の外観に大きな影響をあたえやすいため、種類や形、大きさを揃えることが大切です。
代表的な窓の種類と特徴を表にまとめました。
窓の種類 | 特徴 |
引き違い窓 | 左右にスライドして開閉する窓 |
上げ下げ窓 | 上下にスライドして開閉する窓 |
すべり出し窓 | 室外もしくは室内に向かってすべり出す窓 |
FIX窓・はめ殺し窓 | 開閉できない固定された窓 |
出窓 | 建物の外壁よりも外に向かって突き出した窓 |
スリット窓 | 縦長や横長に細長くはめこんだ窓 |
窓の種類は、なるべく少なくするのがおすすめです。種類が異なる窓をたくさん配置すると、全体的にカラーが統一されていても、いびつでごちゃごちゃとした印象をあたえてしまいます。
平面図だけを見て窓の配置やデザインを決めてしまうと、イメージがしにくく失敗しやすいため、参考となる住宅をいくつか見つけておくと良いでしょう。
アクセントを入れるなら玄関ドアが最適
外観にアクセントを入れたい場合は、玄関ドアが最適です。玄関部分は面積が小さく、強めのアクセントカラーを配置しても、悪目立ちしにくいためです。
外観のスタイルにもよりますが、赤や緑、ネイビーなどの鮮やかな色を選ぶと、おしゃれでスタイリッシュな玄関を演出できます。
玄関ドアの素材には、風合いの良い木製と、防犯面に優れた金属製があります。特に「和モダン」や「ナチュラル」には木製が合うでしょう。
家の外観全体のバランスを考慮して、玄関ドアを選びましょう。
おしゃれな外構を意識する
外構をおしゃれにするには、最初に型を決めると良いでしょう。具体的には、フェンスなどで敷地を囲わない「オープン型」と、敷地を囲む「クローズ型」があります。
オープン型とクローズ型のメリット・デメリットは次の通りです。
オープン型 | クローズ型 | ||
メリット | デメリット | メリット | デメリット |
・開放感がある ・広く感じられる ・採光や通風がとりやすい ・コストが抑えられる | ・人が侵入しやすい ・プライバシーの確保が難しい ・子どもが道路に飛び出す危険性がある | ・プライバシーが確保されやすい ・防犯性が高い ・通行人の視線を感じにくい | ・閉塞感がある ・死角が発生する ・コストがかかりやすい |
オープン型は開放感があるため、「ナチュラル」や「リゾート」などのスタイルに適しており、クローズ型は、「エレガント」など重厚感のあるスタイルが合うでしょう。
家のスタイルに合うように外構の種類を選べば、外観の統一感がさらに高まります。
また、おしゃれでかっこいい外構にするには、植栽や照明を意識することも重要です。たとえば、照明を玄関周りや外壁の一部に当てるだけでも、昼と夜とで印象が大きく変わります。
特に夜は照明を効果的に使うことで、高級感のある落ち着いた雰囲気を演出できます。
おしゃれでかっこいい外観の家を作るために
おしゃれでかっこいい外観の家を作るうえで大切な、デザインの種類と設計のポイントについて紹介しました。
外観は、外壁・屋根・窓・外構など、さまざまな要素が組み合わさることで作られます。そのため、全体のスタイルや方向性を最初に定めたうえで、細かい仕様やカラーを決めると、おしゃれでかっこいい外観に仕上がります。
家の外観は毎日見ることになるため、後悔のない選択をしましょう。