マイホームを購入する際の選択肢として人気の建売住宅ですが、なかには「建売住宅に住むのは恥ずかしい」という意見もあります。
この記事では「建売住宅が恥ずかしい」と言われる主な理由や、マイホーム購入時のポイントを解説します。
建売住宅のメリット・デメリットを知りたい人は、次の記事をご覧ください。
建売住宅のメリット・デメリットを徹底比較！向いているのはこんな人
建売住宅が恥ずかしいと言われる理由
建売住宅が「恥ずかしい」と言われがちなのは何故でしょうか。新築の建売住宅は多くの人に購入されていますが、なかには恥ずかしいと言う人もいます。実際に建売住宅のどのような特徴が、マイナスイメージにつながるのでしょうか。
ここでは、建売住宅が恥ずかしいと言われる主な理由について解説します。
「安っぽい」という意見があるため
建売住宅に対するネガティブな意見としては「安っぽくて恥ずかしい」というものを見かけます。では「建売住宅の安っぽさ」とはどのようなものでしょうか。
まずは実際の価格を見てみましょう。確かに建売住宅の料金は、注文住宅と比べて安価な傾向にあります。
国土交通省が公表している住宅市場動向調査報告書によると、令和4年度の時点で、建売住宅の料金相場は4,214万円、対して注文住宅は5,436万円でした。建売住宅の方が約1,200万円安くなっています。
参考：令和4年度 住宅市場動向調査報告書 国土交通省 住宅局
次に価格以外の点を見てみましょう。注文住宅と比較したときの、建売住宅のデメリットは以下のとおりです。
- 間取りや外観が規格化されており、変更出来ない
- 分譲地の区画に建てられた建売の場合、周辺の住宅と似た外観になりがちなため、個性を出しにくい
上記の2点を約1,200万円の価格差に見合わない「安っぽさ」と感じるのであれば、注文住宅を選ぶのがおすすめです。逆にこの2点が気にならないのであれば、建売住宅はコストパフォーマンスが高く、賢い選択肢といえるでしょう。
注文住宅を建てた友人や親戚に劣等感を抱く人もいるため
前述の通り、建売住宅は注文住宅よりも相場価格が安く、価格差の根拠は、規格性によるこだわりの出しにくさと、個性の出しにくさです。
しかし自宅を購入する際には、上記以外に、周囲からどう思われるかを気にする方も多いでしょう。確かに「建売住宅は注文住宅よりも恥ずかしい」「賃貸は持ち家よりも恥ずかしい」「マンションであれば下階は上階よりも恥ずかしい」「○○区は□□区よりも恥ずかしい」といった意見は、SNSなどでも見られます。
これらの意見に共感したうえで、その恥ずかしさを埋めることに約1,200万円の価値を感じるのだとすれば、建売住宅は避けたほうが賢明でしょう。
建売住宅を肯定的に捉える意見もある
建売住宅には「恥ずかしい」という意見もありますが、一方で以下のように肯定的な意見も多く存在します。
価格が安いことはそれだけでも大きなメリットです。建売住宅と注文住宅のあいだにある約1,200万円という相場価格の差は、自身や家族の人生設計全体に影響を及ぼし得る金額です。1,200万円あれば、例えば子ども2人が4年制の私立大学に進学した場合の合計8年間の学費を、学部によって多少異なるものの、基本的には余裕を持って払うことができるでしょう。
また、建売住宅は購入後に入居するまでの期間が注文住宅よりも短く、その点をメリットに感じる方もいます。住宅購入において大切なのは、どんな条件にこだわりを持って、何にコストをかけるのかを明確にすることです。
建売住宅の購入後に後悔しないためのポイント
ここでは、建売住宅の購入後に後悔しないために、事前にチェックしておきたい6つのポイントを紹介します。
1. 住宅購入の目的を明確にする
建売住宅の購入後に恥ずかしく思わないためには、当初の希望条件や、優先順位を見失わないことが重要です。
家を選ぶ際には、より優れたデザインの家や、最新の機能を備えた家を見て、目移りすることもあるでしょう。また、購入した後に他の家と比べてしまい、羨ましく思ってしまうことがあるかもしれません。
そういった場合は、家を買うと決めた当初に設定した希望条件や、優先順位に立ち返ってみましょう。購入した物件が当初の条件を満たしているのであれば、購入が失敗でなかったことを確認することができます。
2. 家に対する劣等感や見栄を客観視する
建売住宅を購入して恥ずかしいと感じるかは、最終的には自分の気持ち次第です。冷静に自分を見つめ直し、住宅に対する劣等感や見栄を持っていないかを確認してみましょう。
自分が本当に住みたい住宅であれば、住居形態は重要ではないと考える人は、建売住宅を購入しても恥ずかしい思いをする可能性は低いでしょう。一方で、見栄を張ることを、住心地や利便性と同じく重視するのであれば、建売住宅の購入には慎重になった方が良いかもしれません。
3. 購入前に周辺環境をリサーチする
周辺環境のリサーチも重要です。たとえば、分譲地の場合は、同じようなデザインの建売住宅が周辺に多く、個性がないと感じることは多くなるでしょう。一方、自分の建売住宅の周辺に華やかな注文住宅が多い場合、比較して自分の家が安っぽく感じてしまうかもしれません。
分譲地ではない宅地の建売住宅を選んだり、周囲に注文住宅が少ない立地を選んだりすることで、恥ずかしいと感じる場面を少なく出来るでしょう。
4. 典型的な建売住宅だと感じにくい家を選ぶ
建売住宅自体が恥ずかしいのではなく、建売のような外観が無個性で恥ずかしいと感じてしまうケースがあります。
たとえば、引き違い窓やスレート屋根、凹凸の少ない外壁などは「建売住宅らしさ」が強くなります。同じ建売住宅でも、外観に個性があり建売感が少ない住宅を選ぶと、恥ずかしく思う可能性を小さくできるでしょう。
サイディング以外の外壁や、個性的な屋根形状の住宅など外観にこだわる住宅メーカーであれば、建売感の少ない住宅を扱っているケースもあります。
5. オプションを使って内装をアレンジする
内装が規格化されている点は、建売住宅を選ぶのであれば避けられないデメリットです。しかし建売住宅のオプションを利用すれば、ある程度のアレンジを加えることは可能です。ただし、オプションによる内装や設備の変更には追加費用が掛かる点に留意しておきましょう。
アレンジの具体例として次のようなものがあります。
- 広々とした吹き抜けの天井とストリップ階段を組み合わせる
- 海外風のL字型キッチンを作る
- 書斎にウォークインクローゼットを併設する
6. 建売住宅と注文住宅の良し悪しを理解する
住宅を購入して後悔しないためには、総合的な住みやすさに着目することも大切です。
他者からどう思われるかにとらわれすぎず、当初の目的が果たせるか、自分が必要とする条件を満たしているか、長く安心して住めるかなどを考慮して選ぶのがおすすめです。そのためには、建売住宅と注文住宅のそれぞれの違いを理解しておきましょう。
建売住宅と注文住宅の違いを表にまとめました。
| 建売住宅 | 注文住宅 | |
| 料金相場 | 4,214万円 | 5,436万円 |
| 入居までの期間 | 約1ヶ月〜2ヶ月 | 約6ヶ月〜1年 |
| 完成形のイメージ | イメージしやすい | イメージしにくい |
| 設計・デザインの自由度 | 低い | 高い |
| 立地の良さ | 良い傾向にある | 良い立地を選ぶのが難しい |
| 保証・アフターサービス | 不足気味 | 充実している |
建売住宅は注文住宅よりも価格が安く、入居までの期間が短く済みます。完成形を見て住宅の購入を判断できるケースが多く、土地の形状や立地が良い傾向にあるのも特徴です。
一方、注文住宅は設計やデザインの自由度が高く、保証やアフターサービスが充実しているのが特徴です。
それぞれの住宅の特徴を理解して、自分の希望に合う住宅を選びましょう。
建売住宅と注文住宅の違いについてさらに詳しく知りたい場合は、次の記事をご覧ください。
まとめ：向き・不向きに合わせて住宅を選ぼう
建売住宅が恥ずかしいと言われる主な理由や、購入後に後悔しないためのポイントなどを解説しました。
建売住宅は注文住宅よりも個性を出しにくいですが、家を購入する目的を事前に明確化したり、オプションを活用したりすることで、自分らしく、満足した暮らしを送ることができます。
次の記事では、建売住宅で後悔しないポイントを解説しているので、ぜひご覧ください。
